BASEプロダクトチームブログ

ネットショップ作成サービス「BASE ( https://thebase.in )」、ショッピングアプリ「BASE ( https://thebase.in/sp )」のプロダクトチームによるブログです。

デザイン思考ワークショップをやってみました

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UIデザイナーの野村(@nomjic)と申します。

今回はフレームワークの話をしたいと思います。と言ってもRailsとかVueとかの開発フレームワークでなくて思考フレームワークです。
そうですデザイン思考です。

デザイン思考フレームワークを体験する2時間ワークショップを社内で行ったのでその様子をお伝えします。

まず、デザイン思考とは何なのか

Wikipedia上では以下のように書かれています。

デザイン思考(でざいんしこう、英: Design thinking)とは、デザイナーがデザインを行う過程で用いる特有の認知的活動を指す言葉である

よくわからないですね。

本読んだりWeb記事読んだりすると色々と書かれているのですが、コンテクストによって解釈は様々で、調べれば調べるほど混乱してしまいます。
私個人としては、デザイナーの思考・行動パターンの中の、汎用的に適用しやすい部分を切り出したものをデザイン思考と呼んでるのだと解釈してます。 デザイン思考はビジネスに限らず日常生活やレジャーの中でも役立つものなので、万人が知ってて損はないものだと思ってます。かといって万能って訳でもないですが。

そんなデザイン思考を体験してみませんか?と社内Slackで声かけたところ、そこそこ人が集まったので、ワークショップを実施した次第です。

ワークショップ風景
ワークショップ風景

ワークショッププラン

参考にしたワークショップ

2018年夏に某所で開催されたコペンハーゲン式デザイン思考を学ぶ!1dayワークショップ で実践されていたプロセス(図参照)を下敷きにして、2時間程度の尺に収まるようプランしました。

PCDプロセス
図: 参考にさせていただいた1dayワークショップでのプロセス
このプロセスの後半あたりの、CO-CREATIONまで体験できることを目標にプランを立てました。

全体の流れ

タイムスケジュールは以下の通り。

  • アサンプションマッピング(連想ワード書き出し):8分
  • 模擬ユーザインタビュー Round1:8分
  • 模擬ユーザインタビュー Round2:8分
  • インタビュー分析(課題抽出):16分
  • 問い(仮説と"How Might We 〜 ?")の作成:10分

  --- 休憩5分 ---

  • アイディエーションRound1:10分
  • アイディエーションRound2:10分
  • ソリューション検討:10分
  • シェアと振り返り:5分

てんこもりですね。

テーマ

「旅行の計画立ての体験を向上するプロダクトを作る」をテーマに掲げました。

シンプルに「旅行」でも良かったのですが、短い時間のワークショップなのでテーマは狭めた方が良さそうと考え、このようなテーマに相成りました。

人数とか場所とか

12名のメンバーに集まってもらえたので、4人ずつの3チームに分けました。
社内の打ち合わせスペースで、大きいテーブル1つと小さい卓を1つ、それとホワイトボード3枚を使って実施しました。

ワークショップ内容(実施したこと・様子)

連想ワード書き出し

まずは頭の体操がてら、「旅行計画」から連想する言葉をひたすら書き出してみます。
各々の頭の中の情報の可視化と共有をざっくり行うことを意図してます。

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模擬ユーザインタビュー

各チーム内で、各々の「旅行計画にまつわる体験」を掘り下げるインタビューを行ってもらいます。
以下のような質問例を挙げはしましたが、基本自由に聞きたいことを聞いてもらいました。

  • 過去に、どんな風に旅行を計画しました?
  • その中で、好ましく感じた体験は?
  • 良くなかった体験は?

インタビューに不慣れなためか最初はスムーズにコミュニケーションが進まなかったチームも見受けられましたが、一定程度は体験と価値観の共有ができたようです。
このあたりは、チームビルディングの観点でも組織の活動に貢献できると考えています。

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ここで得た共通認識を踏まえて、以降の課題発見&ソリューションのフェーズへと進んでいきます。

仮説立て(課題発見)

インタビューで引き出した種々の体験を踏まえ、「良い旅行計画とは何か?」「悪い旅行計画とは何か?」についての仮説を立ててもらいます。この段階では複数の仮説を立てて、付箋に書いていきます。

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うん、お腹減らさない、大事ですね。大事大事。

問いを作る

仮説をもとに、「いかにしてXXXを排除し、YYYをより良くするか」という問いを作ります。 (XXXには「悪い体験」、YYYには「良い体験」が入ります。)

  • 作成された問いの一例

「いかにして、計画を固く定めず、旅行中のライブ感を大切にしてアクシデントを楽しむか」

いわゆるHMW(How Might We... ?)というやつなのですが、ここがなかなか慣れないと難しいところで、「問い」とは少し違う形になってしまったチームもありました。
とはいえ、次ステップでアイデア出しするための情報は出揃ったので、進めます。

アイデア出し

作成した「問い」に回答する形で、アイデア出しをします。クレイジー8方式で実施しました。

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もう少しグラフィカルにアイデアを出してくれることを期待したのですが、付箋が小さすぎて描きづらかったかな、と反省。
「デザイナーはビジュアライズ必須」とか縛りを与えても良かったのかもしれないです。

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ATI(圧倒的当事者意識)に強烈な思い入れを持つチームがあったりもしました。 こういうキャッチーなワードが取り上げられ、不思議な一体感が生じるのもワークショップの醍醐味かもしれません。

ソリューション提案作成

アイデアの取捨選択・統合をして1つのソリューションに整理します。
整理のためのヒントとして、以下のようなフォーマットを提示しました。

  • 提案名・提案概要
  • 想定ユーザ
  • ユーザにもたらす価値
  • 他サービスに対しての位置付け
  • マネタイズ

そして、複数のソリューション提案が作成されました。以下、一例。

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  • 提案名:いきなりトリップ

予算感とNG項目(アレルギー等)だけ伝えて、あとのプランは全て任せられるサービス。プランは当日、現地についてから伝えられるので、バラエティ番組の企画のような無茶振りを楽しめる。

割とどのチームもまとまった提案になりました。アイデア出しの途中で「過酷な試練を与えて、それに耐え抜かないと旅行に参加できないシステムを...」とか聞こえて、どんなソリューションに昇華するのか楽しみにしてたのですが、提案には採用されなかったようです。

プレゼンテーション

各チームよりアイデアのプレゼン&シェアをしてもらいました。

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そして片付け・解散と相成りました。お疲れ様でした。

今後の予定

単発で終わらせず、継続していきたいと思っています。
部活的なものにするとか、新人研修プログラムに組み込むとか... 個人的には、社外の人や「BASE」のユーザーも参加できるオープンな場にして、ユーザーリサーチを兼ねたりできたら良いなあ、なんていう野望もあります。

他の会社さんでもやってみたいなと思っていますので、ご興味のある方がいらっしゃいましたら@nomjicにDMいただけると嬉しいです。

以上、お読みいただきありがとうございました!参加してくれた12名はホントホントありがとうございました!