BASEプロダクトチームブログ

ネットショップ作成サービス「BASE ( https://thebase.in )」、ショッピングアプリ「BASE ( https://thebase.in/sp )」のプロダクトチームによるブログです。

経営戦略室と僕たちの信じる未来

はじめに

はじめまして.経営戦略室の林田(@Linda)と申します. こちらはBASEアドベントカレンダーの23日目の記事です.

本記事では、今年1月に立ち上がったCEO鶴岡(@yt)直下のチームである 経営戦略室(Corporate Strategy Unit;略してCSU)について、立ち上げ時からの活動と、進める中で意識していたポイントを紹介したいと思います!

経営戦略室(CSU)とは

一般的には「経営企画」と呼ばれ、企業の中長期の経営戦略の策定や、新規事業の創出検討などを行う組織機能・職種に分類されますが、実際の業務分掌や組織上の位置づけは各社様々です.

立ち上げ当初、初期メンバーとして参画した岩田(@joe)や鶴岡とともに、「そもそも経営戦略室、何をしようか??」の議論から始めました.

侃々諤々の議論を行い、 経営戦略室は、「BASEをみんなで"より速く”、"より遠く”」へ導く「CEOの拡張機能」として、目指す方向を定めました.

<出所: 経営戦略室作成>

”より速く”、”より遠く”へ向かう先≒CEO機能としてコミットするものは何か?

色々なステークホルダーの方がいらっしゃり、沢山の観点がありますが、1つと言われれば 「ミッション」である「Payment to the People, Power to the People.」の実現です.

<出所:コーポレートサイト

ミッションの実現が全てで、これ以外は極論全て手段です. この立場に立つと、極端なことを言えば事業もプロダクトも、KPI管理も組織も全てが手段です.

その時々で、ミッション実現に向けて解決すべき優先度の高い経営イシューは何か? これを中長期観点で考え抜き、アプローチ(打ち手)を検討します.

この打ち手候補には、最善解なのであれば心持ちとしては全ての選択肢が含まれます. 極論、経営戦略室が開発をやるべきなら開発をする、営業活動が必要ならする、採用活動をすべきなら採用活動を率先して進める. 限られた経営資源を踏まえ、中長期的な観点も考えてミッション達成へ向けた最善手だと判断すれば、論理的にはこれらの手段も取り得ます.

しかし、BASEには、ミッションに共感する各領域のプロフェッショナル・スペシャリストの仲間がたくさんいます. 1つの組織機能でできることは物理的に限界がありスケールが難しく、経営戦略室単体で閉じる・依存する傾向にある打ち手候補が最善手になることは少なく、「中長期的なスケーラビリティ」が判断軸の1つに入ることがほとんどです.

ミッションの実現に向けて、

  • マクロ環境や未来・将来を考えて、つまずきそうなものがあれば先回りしてその障壁を特定し、取り除きにかかる.
  • その障壁を取り除くために、必要な経営機能の獲得や習慣のインストールに資する活動、それらがスケールする仕組み・ルールを考える.
  • 最終的には、各経営機能が有機的に連携し、優先度の高い経営イシューを特定し、解決に向けて自発的に推進・協議され、数多くの打ち手候補の中から最善手が打たれるPDCAが回る状態を目指す.

経営戦略室の最終目的は「経営戦略室がなくなること」だよね、と立ち上げたばかりではありましたがメンバー間でも話をしています.

これが経営戦略室チームです.

今年1年の振り返り

チームの方向性を決めた4月以降 高橋(@Nao.takahashi)や米田(@aipon)もチームに加わり、 今年一年で色々な取組・活動をしてきましたが、本記事ではその一例として3つ簡単に紹介します.

【① 各部門との協働検討推進】

まずは「仲間を知り、共に走る活動」から始めました.BASEの組織は、経営戦略室以外に

  • ネットショップ作成サービス「BASE」を管掌するBASE事業に加え、
  • 購入者向けプロダクト「Pay ID」や決済・金融領域のプロダクト「BASE BANK」・「PAY.JP」を担うNEW Div.、
  • 全社のサービス情報セキュリティを担うIT Strategy Div.
  • グループ全体のコーポレート機能を担うCorporate Div.

が存在しています(22年10月時点).各部門のマネージャー中心に議論を行い、その内容を元に各経営課題の抽出を行ったり、解決に向けたアプローチの検討案を一緒に考えたりしてきました.

<出所:BASE会社紹介資料

【② 経営会議のガイドライン設計】

経営会議は、全社の重要事項の意思決定機関の1つであり、まさに経営イシューが議論される重要な機能です. BASEでは、経営の意思決定のプロセスの可視化やその姿勢として議事録を原則公開しているのですが、 どうすればよりよい意思決定につながるか、会議の在り方自体を経営陣で議論し、ガイドラインを定めました.

例えば、資料は事前提出&参加者は前もって資料を読んで会議に臨むこと、と記載されており、 まだまだ試行錯誤中ではありますが、これにより質が高まってきていると感じています.

*内容イメージ; 推奨アジェンダや会議参加に関するスタンス等が記載されています.
<出所:経営戦略室作成>

【③ 中長期経営戦略の検討推進】

CEO機能の最重要テーマといっても過言ではない中長期経営戦略の策定・具体化、にも足元取り組んでいます. 各種現状を踏まえて、

  • ミッション・行動指針のレベルから、改めて経営陣で意味解釈やマインドを揃える
  • その上で、これからのマクロ環境に関する見立ても立てながら、ミッション実現に向けたBASEグループ全体の企業戦略を議論する
  • 上記を踏まえて、各プロダクト戦略やその実現に必要な組織ケイパビリティ獲得に向けた方針を議論する

といったようなプロセスを経ながら、経営陣を中心に議論を重ねて検討推進を行っています.

進める中でチームとして意識していたポイント

経営戦略室チームとして検討を進める中でメンバー間で、 "チームとしてのマインドは揃っているか?"については、とても意識していました.

「ミッション」・「経営課題」・「事業戦略」・「組織」など抽象的な論点になりやすいトピックであるからこそ、 検討を進める際に、判断軸・議論の軸がブレないように、些細な疑問点も、その内容や考え方自体のマインドのすり合わせを行うようにしていました. 「マインドをすり合わせるためのTips」として2点取組を紹介します.

【① チームミッションに紐づいた年間ロードマップと足元のOKR*1設計】

BASEでは、クオーターごとに設定するOKRを活用しながら組織運営を行っているのですが、 足元のOKRがチーム方針に沿っているか、年間の活動方針に照らしたときにどの位置づけになっているかのすり合わせを各クオーターで行うことで、 期中に想定内容や進捗にGapが生じた際も、大方針・目的から逸れないような軌道修正が行えるようにしていました.

<出所:経営戦略室作成>

【② 備忘メモチャンネルを活用した情報共有】

"普段の生活・仕事の中で生まれる些細な気になる点にこそマインドを揃えるヒントが有る” との考えのもと、そのチャンスを逃さないように、Slackの専用チャンネルを作り、

  • チャンネルのレスポンス義務なしで(投稿ハードルを下げる)
  • 気になったニュースや、「これ議論したいな」と思った事項を備忘として投稿し、
  • その内容を日々のMTGや定例などで一気に共有して消化

をしていました.ちょっとした工夫と運用であるのですが、マインドも揃うし情報共有もできるし、おすすめです.

終わりに;僕たちの信じる未来

下記グラフはクリエイターエコノミー市場規模の将来予測ですが、 これからますます個人の力が経済的にも大きくなっていくことが予測されています.

<出所:三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社

22年12月11日、BASE株式会社は創業10周年を迎えることができました. これからの10年も、ミッションである「Payment to the People, Power to the People.」の実現に向けて、

ひとりひとりに眠る、想いが、感性が、才能が。
世界中の、必要な人に届くように。
そこから生まれる、作品に、アイデアに、活動に。
正当な対価を、受け取れるように。

ペイメントを、世界中の人へ解放する。

世界のすべての人に、
自分の力を自由に価値へと変えて
生きていけるチャンスを。
あたらしい決済で、あなたらしい経済を。

そんな世界の実現を信じて、個人やスモールチームをエンパワーメントする存在で有り続けたいと思っています.

以上、チーム取組紹介でした!


明日は、岡部(@rerenote)さんの記事が公開予定です!お楽しみに!

*1:OKRは、Objectives and Key Resultsの略称で、GoogleやFacebookなどシリコンバレーの有名企業が取り入れたことで近年注目を集めていると言われている組織の目標の設定・管理方法のひとつです.