はじめに
本記事はBASE アドベントカレンダー 2022の8日目の記事です。
BASE BANKの@osushi_maguro🍣です。
「BASEカード」というプロダクトのPMM(プロダクト・マーケティング・マネージャー)を担当しています。
『HUNTER×HUNTER』が大好きです。
今回は、ユーザーリサーチとABテストを通じて、「BASEカード」の効果的なメールマーケティングが実現した話をします🙋♀️
その前に……「BASEカード」って何?🤔
BASEカードは、BASEショップの売上を全国のVisa加盟店で「即時決済」できるカードです。
ショップオーナーさんは、「振込申請をすることなくすぐに」「手数料をかけずに」 売上をご利用いただくことができます。
1分でわかる、「BASEカード」のきほん - BASE U|ネットショップの開設・運営・集客のノウハウを学ぼう
ユーザーリサーチ内容✏️
ユーザーリサーチは、3ステップでおこないました。
- BASEカードのファネル分析:
「離脱が多いファネル」を把握する - ヘビーユーザーへのインタビュー:
ヘビーユーザーの「BASEカードに対する愛着」が強くなったきっかけやポイントを把握する - 未発行ユーザーへのインタビュー:
1の調査により「発行ファネル」における離脱率が最も高いことがわかったため、発行の阻害要因を把握する
ユーザーリサーチ結果💡
上記ユーザーリサーチの結果、わかったことが3つありました。
- BASEカードのヘビーユーザーは、主に 「法人化していない個人事業主の方」「BASEを副業として位置付けている方」 に多かった
- ヘビーユーザーにとって、BASEカードの最大の魅力は 「振込申請のペイン(入金までのリードタイムが長い・手数料がかかる)が解消されること」
- 未発行者はBASEカードをクレジットカードだと誤解しており、「クレジットカード = 発行が面倒臭い・年会費がかかる」というイメージから発行に至っていない
以上から、BASEカードのマーケティング戦略として、
「現在のヘビーユーザーのような層をターゲットとし、クレジットカードのイメージを払拭しながら、振込申請のペインが解消されるというメリットを強調する」
という方針で施策を実行していくことにしました。
ABテスト内容✏️:文面検証編
マーケティング施策として、まずはメールから始めることにしました。
発行ファネルの離脱率が高いことから送信対象を「未発行ユーザー」に絞り、
ユーザーリサーチ結果を踏まえて2種類の文面を用意し、テストをおこないました。
A.「 振込申請のペインが解消されること」を強調した内容
件名:振込手数料が無料になる「BASEカード」が発行できます!
BASEカード・振込申請の比較イメージを載せたもの(図の中央)
B. 「クレジットカードではないこと」を強調した内容
件名:「BASEカード」(プリペイドカード)が発行できます!
BASEカード・クレジットカードの比較イメージを載せたもの(図の中央)
発行率が高かったのは、果たしてどちらの文面でしょうか?
結果を見ていきましょう!
ABテスト結果💡:文面検証編
発行率が高かったのはA「 振込申請のペインが解消されること」を強調した内容のメール文面でした。
振込申請と関連づけながらアプローチする方法は確実に効果がある、ということがわかったので、続いてもう1つテストをおこないました。
ABテスト内容✏️:タイミング検証編
前述のABテスト結果を受け、「振込申請に対するペインが”特に”高まるタイミングにアプローチすると、さらに効果的なのでは……!?🥸」と考えました。
そこで、「振込申請に対するペインが”特に”高まるタイミング = 振込申請の直後」と仮定したうえで、
- 振込申請をした かつ その当日に「振込申請のペイン解消を強調した内容」のメールを送信したグループ
- 振込申請をした かつ 上記メールを送信しなかったグループ
- 振込申請をしていない かつ 上記メールを送信したグループ
- 振込申請をしていない かつ 上記メールを送信しなかったグループ
という4つのグループを作り、発行率を比較しました。
さて、こちらの結果はどうだったでしょうか?
ABテスト結果💡:タイミング検証編
発行率が高かったのは「振込申請をした かつ その当日に上記メールを送信した」グループと、「振込申請をしていない かつ 上記メールを送信した」グループでした。
振込申請した・しないにかかわらずメールを送ったグループの発行率が高かったことから、
送信タイミングが効果に及ぼす影響はあまり高くない = メールを送信すること自体が重要だと思われます。
これは、個人的には結構意外でした😳
おわりに
今回は、ユーザーリサーチ結果をクイックにアウトプットに活かせたこと・ABテストを経て効果的なメールマーケティングが実現したことが非常に良かったと思います。
また、「ユーザーの声からどんな仮説を作るか?」「どんな検証をおこなうか?」「検証の結果、何がわかったのか?」「仮説をどのように修正するか?」という点はまさにPMMの腕の見せ所で、緊張感がありつつも(あるからこそ)日々面白いと感じます。
今後はメールマーケティングにとどまらず、Web画面のUI/UX改善・プロダクトの機能改善にも着手し、BASEカードがユーザーにとって最高のプロダクトになるよう尽力していきたいと思います!
明日は@gatchan0807 @yuripiiiii の記事が公開予定です、ぜひご覧ください。