BASE開発チームブログ

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Redashを0から布教して社員全員に効果検証の文化を根付かせた話

f:id:A06rp012:20180424185854j:plain (BASEオフィス内の光景)

初めに

こんにちは!BASEでBack-end Engineer Groupに所属している菊地陽介です!

今年度からBASEでは世のエンジニアに興味を持ってもらおうと、積極的に技術ブログを発信していこうという運びとなりました。本記事を読んで少しでも興味を持って頂けましたらぜひ私までご連絡ください!

さて、私はRedashエヴァンジェリストとしてRedashを社内に普及させましたので、その話について書こうと思います。「Redashって何?」、「Redashサーバってどうやって立てるの?」、「Redashの便利機能は?」などの疑問については先に素晴らしい記事がたくさんありますので、そちらを参考にされてください。

この記事では、Redashをどのように社内に普及させたのかということについて述べたいと思います。

背景

私がBASEに入社したのは、今からちょうど一年前の2017年4月でした。

当時は何か新機能をリリースしても出しっ放しで、効果があったのかなかったのかの検証が十分になされておらず、次のアクションに活かせていないなと感じていました。日々、「なんだか知らないけど今日は数値が良いような気がする」といった漠然とした感想を持つだけでした。

ちょうど、前職でRedashを導入したことで社内に良い影響を与えることができたという成功体験があったので、BASEにも導入して普及させようという運びになりました。またRedashを導入することは、数値分析をしやすくなること以外にも様々な効果が期待できるので本記事でご紹介します。

Redashを導入するメリット

Redashを導入することで享受できるメリットは多々あるのですが、特に私が一押しのメリットは下記になります。

非エンジニアがエンジニアに依頼していたデータ抽出が不要になる

このようなお互い不毛なやりとりけっこう多く行われているのではないでしょうか。

カスタマーサポートのRさん(以下Rさん): 「ショップAの商品情報一覧が欲しいのですが、データを抽出してもらえないでしょうか?」
頑固エンジニアのHさん(以下Hさん): 「はい、どうぞ」

〜3時間後〜

Rさん: 「ショップBの商品情報一覧が欲しいのですが、データを抽出してもらえないでしょうか?(さっき頼んだばかりだし頼みづらいな、、)」
Hさん: 「はい(またかよ)、今忙しいのであとで渡します」

〜3時間後〜

Rさん: (依頼してから3時間経ったけどまだ忙しいのかな、それとも忘れてるのかな、リマインドした方がいいのかな、、、。あー、めんどくせええ。)

それがRedashが普及するとこんなふうになり、業務効率化がはかれます。

Rさん: 「ショップAの商品情報一覧が欲しいのですが、データを抽出してもらえないでしょうか?」
Hさん: 「Redashに任意のショップの商品情報一覧を取得できるクエリを用意したので、これからは自分で抽出できます。」

〜以降〜

Rさん: 「ショップBの商品情報一覧が必要だな。Redashでさくっと抽出しようっと。あー気を遣う必要がなくて楽チン。」
Hさん: 「前まで頻繁にきてたデータ抽出依頼がこなくなったからコーディングに集中できてハッピー。」

BigQueryの高額請求に怯えなくてよくなる

BigQueryはクエリが処理したデータ量に応じて課金されるため、うっかり月に150万溶かすという恐れがあります。それ故に気軽にクエリを叩けないという人も多いのではないでしょうか。私もその一人でした。

しかしRedashでは、強制的にBigQueryのコスト上限設定を適用できるため、不用意にコストのかかるクエリを叩く心配がなくなるのです。

ちなみにこれが前職でRedashを導入した理由でした。

Redash普及のためにやったこと

Redashが導入された当初、BASEのslack上にRedashで作ったグラフをアップしたりしてその素晴らしさを共有しようと努めました。しかしみんなの反応は薄く、兼ねてよりRedashに興味を持っていた一部のメンバーが使うだけでした。

世の中には便利なツールがたくさんあるにも関わらず、社内全体に普及するようなツールは少ないように感じています。そもそも新しいツールが普及しない理由としては下記のようなものが挙げられると思います。

  1. そもそも存在を知らない
  2. 存在は知っているけどなんだか難しそう
  3. 一部の人しか使ってないから使えなくても大丈夫

そこで私はマーケティング理論で有名な「キャズム理論」に思いを馳せ、どうやってキャズムを超えるか考えました。

キャズム理論を応用する

消費者(社員)は下図の5つのグループに分類でき、アーリーマジョリティー層まで普及させることができれば新商品や新サービスは急激に市場に浸透していくと言われています(これはイノベーター理論というやつ)。 f:id:A06rp012:20180424190041p:plain

(出典:【キャズム理論】マーケティングの深い溝を乗り越えるには?より引用)

しかし、アーリーアダプター層とアーリーマジョリティ層の間(エンジニアと非エンジニアの間)には簡単に超えられない深いキャズム(分かり合えない価値観)が存在し、そこをどうやって超えるかというのが新技術(Redash)が普及するかどうかの大きなポイントになります。 f:id:A06rp012:20180424190127p:plain

(出典:【キャズム理論】マーケティングの深い溝を乗り越えるには?より引用)

そこで私は、いかにキャズムを超えるかというところに注力しようと心に決め、各部署のコアとなるメンバー(アーリーマジョリティ層)に売り込みにいくことにしました。

ちなみに私が思い描いたイノベータ理論の層と社内のグループの対応表は下記になります。

社内のグループ
イノベーター層 元からRedashに興味を持っていたメンバー
アーリーアダプター層 エンジニア
アーリーマジョリティー層 Customer SupportやMarketing、経理・財務のリーダー
レイトマジョリティ層 Customer SupportやMarketing、経理・財務のメンバー
ラガード層 Customer Experienceのメンバー

どのようにRedashを売り込んだか

私は他部署の人がRedashのメリットを最も享受できるのは先に述べた↓であると考えていました。

非エンジニアがエンジニアに依頼していたデータ抽出が不要になる

ですので最もデータ抽出を依頼する頻度が高いCustomer Supportのコアメンバーに、定番のデータを抽出するクエリを全て用意して売り込みに行きました。

やはり普段データ抽出依頼にストレスを感じていたようで、すぐにRedashを利用することのメリットを理解してもらえました。同様に普段の業務の中でマーケも法務経理もエンジニアへのデータの抽出依頼が度々発生していたので、各部署のコアメンバーに同じ切り口で売り込みにいき、布教活動に勤しみました。

その後は、私が何も働きかけなくても自動的に社内のあらゆるメンバーに普及していきました。「キャズムを超えた」と感じた瞬間でした。

まとめ

Redashが普及した後は「新機能をリリースしたら必ず効果検証しよう」という意識が根付きました。今ではより質の高い効果検証をするためにはどうすれば良いかということをみんな意識するようになり、組織として一段階レベルアップしたなと感じています。他にも「非エンジニアがエンジニアに依頼していたデータ抽出が不要になった」などの業務効率の改善をはかることができ、Redashエヴァンジェリストとしてはやりきったなという思いです。

今回はキャズム理論を応用させてRedashを社内に普及させたかということについて書きましたが、これは他にも応用が効くと思いますので参考にしていただければと思います。

おまけ

社内で新たに一ヶ月で登録されたクエリの数と累積数

f:id:A06rp012:20180424190217p:plain

Redash普及率80%

Redashのアカウント開設数を調べたら80でしたので、BASEチームが約100人であることを考えると普及率は約80%でした。