BASEプロダクトチームブログ

ネットショップ作成サービス「BASE ( https://thebase.in )」、ショッピングアプリ「BASE ( https://thebase.in/sp )」のプロダクトチームによるブログです。

ぼくらがPMMをやる理由

はじめに

本記事はBASE アドベントカレンダー 2023の22日目の記事です。

おはようございます、こんにちは、こんばんは。 BASE BANK DivisionでPMM(Product Marketing Manager)を務める@usui_daisukeと申します。 記事タイトルは『ぼくらが旅に出る理由』をオマージュしました。服とお酒と音楽が好きな人間です。

私が所属しているBASE BANKとは、BASEの中でもショップオーナーさん向けの金融系プロダクトを担当するチームで、私は「振込申請」というショップの売上金を引き出す機能を担当しています。

今回は、だいぶ世の中に浸透してきた気はしつつ*1、まだまだイメージが付きづらいであろうPMMという職種が何をやっているのか?私がなにを面白いと思ってPMMをやっているのか?をお話できればと思います。

*1 過去5年間の「PMM」に対する検索トレンド推移を参照&自身の肌感。定期的に波が来ているように感じる https://trends.google.co.jp/trends/explore?hl=ja&tz=-540&date=today+5-y&geo=JP&hl=ja&q=PMM&sni=3

BASE BANKにPMMが必要な理由

弊社はグループミッションとして「Payment to the People,Power to the People.」を掲げており、決済の簡易化を通じて、人々をエンパワーメントすることを目指しています。 それを補完する手段のひとつとして、「金融の簡易化」が必要であるという仮説を持ち、ショップ作成サービス「BASE」を運営するチームとは別に、BASE BANKという金融に特化したチームや各プロダクトが出来上がりました。

BASE BANKチームのミッション。弊社採用資料より引用 https://speakerdeck.com/base/basebank

現在、BASEを使ってくださるショップオーナーさんは、70%以上が個人事業主であり、4名以下で運営されているショップがほぼ100%を占めています*2。

*2 弊社オーナーズ調査2023より

個人やスモールチームの中で、金融知識に明るい方というのは多くはなく、そういった知識よりも「どうしたらいいものを作れるか?」「どうしたらもっと商品が売れるか?」という部分にフォーカスしたい方が多いと、過去のリサーチから明らかになりました。 他方で、商売をする上でお金まわりというのは切っても切れない関係で、否が応でも考えさせられる事柄です。

BASE BANKチームは、個人やスモールチームにとってわかりづらい「金融」というドメインにおいてプロダクト開発を行っており、「いかにわかりやすく、利用価値や方法を伝えられるか?」という点が、プロダクトそのものと同じくらい重要。 そのため、「ユーザーとプロダクトの『橋渡し役』」として、PMMという職種が必要とされています。

BASE BANKにおけるPMMとは

「PMM」と検索すると、さまざまな媒体・人の記事が出てきますが、BASE BANKではPMMに対して以下の3つが求められています。

  • チーム内で最もユーザーへの深い理解・インサイトを持つ
  • プロダクトマーケティングにおける施策実行および数字に責任を持つ
  • プロダクトマーケティングで得たインサイトを基に、PdMを中心に各ステークホルダーと協同し、プロダクトへ反映させる

BASE BANKでは、ひとつのプロダクトに対してPdMとPMMがひとりずつ紐づいており、担当プロダクトをどう伸ばすか?を二人三脚で考えています。 担当によって異なる部分もありますが、PMMがどんなことをやっているか?を3つほどご紹介。

ユーザー理解のためのリサーチ

ユーザーのことを理解していないと、「ユーザーにとってのわかりやすさ」がわかりません。

そのため、アンケートやユーザーインタビューを定期的に実施することでユーザー理解に努め、後述するキャンペーンの企画や効果検証、プロダクトニーズの模索、新機能検討の一助としています。

例えば、「キャンペーンを行っても参加率が伸びない」という問題に対して、キャンペーン告知媒体ごとの認知率や、キャンペーン内容の是非についてアンケートをとってみたり、「プロダクト利用頻度の高いユーザーが、過去と比べて減ってきている」という問題に対して、頻度が落ちた・まったく使わなくなったユーザーにその理由や、使わなくなったあとの移行先についてインタビューしてみたり。

このような形で、各プロダクトが抱えている問題をベースに、アンケートやインタビューを実施しています。

実施したインタビューは、ショップオーナーさんの許諾をいただき記事化することも https://baseu.jp/26724

プロダクトマーケティング

ユーザーにプロダクトの価値を届ける手段のひとつとして、かかせないのがキャンペーン。BASE BANKのPMMは企画の立案から進行、分析までを一気通貫で行います。

企画フェーズでは、前述のアンケートやユーザーインタビュー、Lookerから抽出した実績値をもとに、仮説・データを基に企画を立て、PdMと壁打ちしながら企画をまとめ、進行へと移っていきます。

進行フェーズでは、アナリスト・エンジニア・デザイナー・オペレーションといったPdMやPMM以外の職種、BASE BANK以外のメンバーも巻き込みながら進めます。直近私が担当しているキャンペーンだと、12部署・30人前後のメンバーと協同。

PMMは、プロジェクトオーナーとして全体の進行管理をしつつ、このフェーズではキャンペーンの情報を届けるために、プロダクトの管理画面上の文言や、LPやメール、SNSなどの外部に発信する文章を検討・作成し、ユーザーコミュニケーションをリードしていきます。

分析フェーズでは、数値目標の達成有無だけではなく、実施目的に即してユーザーに利用してもらえたか?上振れ・下振れ要因はなんなのか?を明らかにし、次回以降のキャンペーンに役立て、PDCAを回していきます。

プロダクト企画

ユーザーリサーチやプロダクトマーケティングで得たインサイトを基に、PdMを中心に各ステークホルダーと協同し、プロダクトへ反映させるのもPMMの業務。

例えば先日、BASEカード(BASEの売上金を全国のVISA加盟店で即時に使えるカード)チームで行った「BASEカードの活用事例」をテーマとしたユーザーインタビューの中で「発生している売上に対して、カードの限度額が少なく、使いたい時に使えない場面がある(要約)」といったご意見をいただきました。

話を紐解き、現状のプロダクト体験に照らしてみると、「まとまった仕入れを行いたい時に限度額に達してしまうと、売上金は残っているのに他のカードを使わざるを得ない」というよくない体験となっていたことがわかりました。

その後、インタビューで得たインサイトを踏まえ、想定されるニーズや体験変更において必要な要素を担当PMMが整理。結果として、インタビューから2ヶ月で限度額の引き上げをリリースするに至りました。 baseu.jp

私が思うPMMの面白さ

「ビジネス総合格闘技」という側面

私のキャリアのスタートは、Webメディアの広告営業でした。そこからリサーチャーをやったり、広告プランナーをやったり。インサイドセールスの立ち上げをやったり、カスタマーサクセスの立ち上げをやったり。PdMだったときもあれば、BiZDevだったときもあり、UXコンサルだったときもあり、BASEに入るまで3社10職種以上の業務を行ってきましたが、あの経験使えないな~というものが一切ありません。

ユーザー理解においては、リサーチャーやUXコンサルの経験が活きているし、プロダクトマーケティングやプロダクト企画においては、PdMやBizDevの経験が活きています。細かな業務も含めると、これまで培ってきたスキルが存分に活かせていると感じています。

他方で、数字面ではリサーチャー時代を含めて、定量分析においてはかんたんなクロス集計程度しか行ってこなかったので、数字まわりは入社当初ちょっと苦労しました。ただ、マネージャーやチームメンバーを頼りながら業務を進めていくうちに、今では一定こなせるようになっています。

過去身につけたスキル、新たに身につけた・伸ばしたスキル、すべてを使って仕事できるのが、PMMとしてのやりがいに繋がっています。

ステークホルダーの多さ

前述通り、PMMはさまざまメンバーと連携しながら仕事を進める職種です。私自身、同期・非同期問わず人とコミュニケーションを取るのが好きで、「ひとりではできないことでも、複数人ならできる」ことに尊さを感じています。

抽象的な話になりますが、日々議論し、それを形にしてアウトプットし、目に見えた結果として返ってくるというのは、ある種の創作行為だと私は思っています。

そこに対して産みの苦しみ・喜びみたいなものを、ひとりでなにかするときよりも大きく感じられるところが、ステークホルダーの多さに面白さを覚えるポイントなのかもしれません。

こういった面白さが、ぼく(ら)がPMMをやる理由です。

おわりに

あくまでも「私個人の」「BASE BANKにおけるPMM」の話ではありますが、PMMをやっている・やりたいと思っている方、PMMと働いている他職種の方などにとって、PMMという職種の理解が少しでも進んでいたら嬉しいです。

昨年のアドベントカレンダーでは、私以外のPMMがユーザーリサーチとABテストを実施してCVRを向上させた話を語ったり、担当プロダクトについて語ったりしているので、ぜひ今年のアドベントカレンダーとあわせてご一読くださいませ。

devblog.thebase.in devblog.thebase.in

また、現在BASE BANKでは、エンジニアや事業企画といった職種の採用を行っています。この記事を読んで面白そうだなと思っていただけた方は、ぜひお気軽にご応募いただけたら嬉しいです。

herp.careers

明日は、私と同じくBASE BANK Divisionに所属している大垣さんの記事が公開予定です!お楽しみに。